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共育者に聴く

21世紀共育ラボでは、

共に育つということを実践されている方を「共育者」と呼び、

​その実践内容をインタビューさせていただくことにしています。

永井洋子さんインタビューvol.3

更新日:2020年1月13日

今回のインタビューは、永井洋子さんにお願いしています。

隔週で3回に渡って連載される最終回となります。


永井洋子(ながいようこ)

池坊正教授一級

フラワーデザイナー一級

フラワー装飾技能士一級

NFD講師

https://atelieryoko.net/index.html






—— 教えていらして、永井さんが先生として一番満足するというか、そういった時はどんな時なんでしょうか?


永井:そうですねえ…なかなかまだ、ちょっと出会ってはいないんですけど。「私はこうやって活けたいんです、先生黙っていて下さい」って (笑)、そういう生徒が現れてほしいと常々思っているんです。


—— あー、そうなんですね(笑)。


永井:先生に教えていただくことよりも、自分で自由にやりたいと私は思っていました。先生がこうしなさいって言うのが嫌だと思っていたから私はそういう風には教えないんです。


—— じゃあもう生徒さんがこういう風にやりたいという気持ちがあったらそれを尊重する。


永井:どんどんやってくださいって言う。


—— お花を活けることの意味みたいな部分、自分を表現するというか、自分の内面を形に表すっていうことなんですかね。


永井:はい。


—— そうするとなんかこう癒しというか、心の中とか、普段言葉にできてない気持ちとか、伝えられない想いとか、そういったものがお花を通してそこに現れるようなものなのかなって思ったんですけれど。


永井:まあでもやっぱりお花の美しさというのがあるので、ただ自分の思ったようにざざざっと挿すのではなくて、その時にお花がより綺麗に見えるようにと願いを込めて、挿してほしいなと私は思います。勉強していけば自然にわかると思うんですけど。


—— 自然にわかってくるんですね。


永井:わかります。ただね、習っていない方でもどんどんやっていただきたいと思うのは、お庭にあるお花をこれが可愛いと思ったら同じようにそれをただ挿せばいいじゃないですか。


—— それでいいんですね。


永井:それでいいと思います。


—— 私も庭のお花を、ちょっと切り戻したものなどを、がさつに挿して台所に置いたりしてるんです。結構自分では綺麗だわー、お花いいわーって一人で幸せな気持ちになりますけれども、そんなんでもいい?


永井さん(右)とインタビュアー長岡

永井:いいと思います。でもなかなかお庭の花さえも切れないじゃないですか。やっぱり勇気がいるでしょ?お花を切るの。


—— 切るのは申し訳ない気がしちゃってね。


永井:それを感じるというところまで来たというのはとても素晴らしい。お花に意識がいってるということだから。台所にお花があるかないかでやっぱり違うでしょ?


—— 華やぎますよね、その空間が。


永井:トイレにもお花が一輪あるかないかでは全然違うと

思うのです。


—— 素敵なお仕事だと思います。


永井:本当に私、お花をね、今仕事としていることがすごく嬉しいなぁって改めて思いましたね。


—— そうですかー。


永井:なかなか自分で教室を出すって言えなかったのね。英才教育のインストラクターを10年やったり、主人がドイツに赴任して1年後に私もドイツに渡り、そこで池坊とアレンジを教えてたんです。帰国して40歳過ぎてお花の教室をやっと開いたんです。


—— 満を持してそこまでいろんな経験を積んで来られてるわけですね。


永井:そう。だからほんとに今お花の仕事をできてることが嬉しいと思って。


—— 素敵ですねー。


永井:感謝しかないです。


—— 永井さんはいろんな写真集で「子どもたちに美しい地球や自然を残したい」っていうことを言ってらっしゃる


永井:ほんとになんか心配なんですね。この地球って、政治見ててもおかしいし、いつまでこの緑の木とかお花が咲き続いてくれるだろうかとか、震災も含めて、地球も破壊するかもしれないとか思うと、孫が育つまで大丈夫かなとかその先はどうかなとか、いろいろ考えてしまうんですね。地球を守るっていう意識を一人ひとり持つことが大事じゃないですか。美しい海と美しい空、これっていつまでもあるわけじゃないかもしれないですよっていうメッセージを込めて作品を作っているんです。


—— 地球の未来を憂いていらっしゃる。でもみんなやっぱりなにがしかの形でこのままでいいのかなっていう思いがあるかもしれない。


永井:五島先生*とお会いした時、「地球を救えるのはこれからは”美”だよ」とおっしゃってて、美、美しいもの、そういうものを見たり、そこに意識を持っていくと心がきれいになる。そういう風に五島先生が言って下さったことに本当に同じだと思って、嬉しいのです。で、政治家の方たちに特にこういうものを見てほしいし、戦争なんてやってる場合じゃないですよね。

(*純粋哲学研究会講師であり物理学者)


—— ほんとそうですよねぇ。子どもたちに美しい自然や地球を残せるようにという深い想いを持ちながら永井さんはこの先どんなご予定がありますか?


永井:うーん。国際平和美術展というのを毎年やっているんですけど、日本と、いろんな国ですね。こんな私でもちょっとは参加させていただけるかなという感じですね。まあ私はお花の世界で作品を発表していくというこのスタイルを変えない。これは生かされてやらされているのかなと思っているので。いろんな人との出会いが多分そういうことかな。


—— 出会いですね。


永井:カラーセラピストの方もそうだし、今一緒に仕事をしている深谷さん*とか音楽もそうだし、出版社の方、クオリアート <qualiart.co.jp> の方、皆さんと会うこと、それら全てがほんとにタイムリーな出会いなので感謝してます。やはり神様は私の活動を「やりなさいよ」と背中を押して下さっているんだなーって感じます。

( *深谷慶三氏:芸術に壁は無いという思いでシンフォニアとい

う集合体を2005年1月11日に立ち上げ、永井さんがお花

を、深谷氏が音楽を中心に、教室や色々な活動をしている )


—— そうですか。私もすごく共感させていただく部分が多いなぁと思いました。そして、永井さんの流れていくようなお話のバックグラウンドに、海の、ビーナスの姿が見えてくるような、そんなイメージを抱きながら聴かせていただきました。今日はありがとうございました。これからのご活躍を期待しています。


永井:ありがとうございます。


(インタビュアー・長岡 純)


成人式

おめでとうございます!


【イベント情報】

①作品出展予

2020年5月23日~27日   :平和美術展(リトアニア共和国)

6月9日~28日  :ART BLEND(スイス Gallery Swiss Art Space)

7月29日~8月1日 :MINERVA 2020(イギリス MALL GALLERIES)

9月9日~13日 :平和美術展(京都市京セラ美術館別館2階)

②書籍掲載予定

2020年2月  「MINERVA 2020」

2月14日 発刊記念パーティ ホテルオークラ東京

9月  「日本藝術の創跡」(ラファエロ没後500年記念 ルネサンス)

③講演会

2020年4月5日 「五島秀一 福井特別講演会」 気の舞演舞 ゲスト出演

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